今回は、昨年激動の1年のなかで感じたことをお話ししたいなと思います。
それは「当たり前ってなんだろう?」ということです。新型コロナウイルスの感染拡大の中で、これまで当たり前だったことの多くが、当たり前にできなかったと思います。みなさんも少し思い出してみてください。
学校では、授業がオンラインで行われたり、普通に始業式を迎えられず友達と会えない期間も多かったと思います。また多くの大会などがなくなり、夏の風物詩である甲子園やインターハイもありませんでした。生徒さんの中にも、これまでの練習の成果を発揮する場を失い、やりきれない思いをした生徒もいました。ご家庭でもたくさんの変化があったのではないでしょうか。その他にも、挙げたらきりがないほど変化があり、不便を感じたり不安に思うことがあったと思います。
でも、ここであえて視点を変えてみましょう。こんな状況のなかでも変わらず続けられていることは何かありませんか?
環境の変化があったとはいえ、学校に通っていると思います。部活や習い事を続けられたり、そして今、この文章を読んでいるということは、塾にも通えているはずです。テレビをつければ、医療従事者の方たちが身を危険に晒しながら最前線で働いてくださっているとか、お店や企業の経営が難しくなって明日からどうしようとか、そんなニュースを連日報道している状況のなかで、皆さんの生活はどうでしょうか。今、自分に与えられている状況が当たり前ではない、文字通り「有り難い」ことなんだと気づくのではないでしょうか。保護者の方がみなさんに期待をして、今ある環境を守ってくださっていることと思います。これは決して当たり前のことではありません。
そして、これが当たり前のことではないと気づけたのなら、するべきことは「行動」です。その期待に応えれるよう、一生懸命努力することです。「希望を運ぶ人」の著者アンディ・アンドルーズの言葉にあります。
行動を伴わない決意は、
期待してくれている人に対する裏切りでしかない。
少し厳しいかも知れませんが、素晴らしい言葉だと思います。それぞれ、みなさん志望校や目標があると思います。努力をし続けることは苦しいことが多いですが、もしそれを達成できたら、家族や応援してくれる人が笑顔になって喜んでくれると思いませんか?それを見て、自分自身も誇らしく嬉しく感じると思います。当たり前のことが当たり前にできない状況のなかで、自分が努力できる環境を与えてもらっていることに感謝し努力することができる、そういう人間でありたいと思います。