アポロ11号はなぜ月にいけたのか

こんにちは!高針台中学校前校の南です。みなさんは「アルテミス計画」というのを耳にしたことがありますか?これは、アメリカ合衆国が主導で進めている国際的な有人宇宙探査計画であり、その計画の目標の中には有人月面探査が含まれています。特に有人月面着陸のミッションは2025年以降に計画されており、今まさにその準備が着々と進められているのです。

アルテミス計画の名前の由来はギリシャ神話に登場する月の女神で、このアルテミスは同じくギリシャ神話に登場する太陽神アポロンと双子の関係であるとされています。さて、アポロンと聞いてピンと来る人もいるかもしれませんが、この太陽神アポロンは、1960年代にアメリカで進められた月面への有人宇宙飛行計画である「アポロ計画」の名前の由来になっています。

何となく、過去に人類が月面着陸に成功したことを知っている人はいると思いますが、その背景など詳しく知っている人は少ないかもしれませんね。

1950年代から1970年代にかけては東西冷戦の真っただ中であり、また、ソ連とアメリカによる宇宙開発競争が過熱していた時期でもあります。一番初めの競争は人工衛星の打ち上げです。そして、両国が人工衛星の打ち上げに成功すると、そのあとに起こったのが有人衛星の打ち上げ競争でした。ソ連とアメリカ、どちらが先に人間を宇宙に上げるのか、国家のプライドをかけて開発競争が続きました。先に有人宇宙飛行を達成したのはソ連でした。1961年4月12日、ソ連のガガーリンが人類で初めて地球の軌道を周回したのです。

そして、このようにソ連とアメリカの間での宇宙開発競争はますます過熱していくのですが、その最終的な落としどころは月面の有人探査でした。どちらかの国が月面に人類を送らない限りこの開発競争に終わりはなかったのです。

宇宙開発において、人類初の偉業を打ち立てていたのはソ連です。アメリカは宇宙開発競争ではソ連に先行されていたのですね。そこで、時のアメリカ大統領であるケネディが、ソ連との宇宙開発競争に終止符を打つべくして発表したのが「アポロ計画」であり、「1960年代のうちに人類を月に着陸させる」という宣言をしたのです。

そして、史実にある通り、アメリカはケネディ大統領の宣言通り1969年7月20日に2名の宇宙飛行士を宇宙船「アポロ11号」で月に送り、月面に着陸させたのです。

ここで本題ですが、なぜアメリカは1960年代に人類を月に送ることができたのでしょうか?これはひとえにアメリカのリーダーである大統領が「1960年代のうちに人類を月に送る」という明確な目標を立てたことが理由です。飛行機を改良していった結果偶然月までたどり着いたわけではありません。明確な目標とそれに向けた人間の努力の結晶が、人類史上類を見ない偉業へとつながったのです。

何かを成し遂げるときに第一に必要なのは、明確な目標とそれにかける想いです。人類が38万km先の月に到達できたのは、なんとなく月に行けると思ったからではなく「月に行く」と決めたから。「○○高校に行く!」「○○大学に行く!」と自分の心に強く決心することが、想像を超えた未来を手にする第一歩なのです。